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編集を振り返って

編集を振り返って

                                                                                                             編集長 高橋拓夫    
 十数年を経たファックス用紙は消えかかっていた。関係者の記憶も時間と共に薄れがちであった。しかも、「命の水を守る!」の制作に許された時間は限られ、ギリギリの状況の下での本誌作成であった。 
しかし、阪神大震災復旧支援で示された、当時の北九州管工事協同組合や北九州市水道局の皆さんの、「水道屋魂」とでも言うべき熱い心意気とボランティア精神に力づけられて、ここに完成をさせることが出来た。 

昨年秋、渡邊利夫副理事長を中心とする理事会メンバーとの話し合いから「組合活性化のために、阪神淡路大震災での見事な活躍の足跡に光を当て、記録を本にしてはどうか」との提案があった。理事会でも了承され、渡邊副理事長を委員長とする「制作委員会」が発足した。震災当時、北九州市水道局の職員として被災地にも足を運んだ顧問の高橋拓夫が編集長を、専務理事の米満秀彦が編集委員として実務を担当した。 

まず、組合事務所の書棚の奥に埃をかぶっていた当時の記録を引き出して判読をし、パソコンに時間をかけて入力をしていった。それを元にした年表作り、構想作り。しかし、こうした資料だけでは当時の状況を浮き上がらせるには限度があり、当時ご苦労をされた多くの皆様から直接お話をお聞きすることにした。 

お会いすると「はっきり覚えてはいないが……」との前置きながら、苦労された貴重な経験や感動的な話を聞かせていただけ、共に涙することもあった。そして写真や思い出の品々をお貸しいただき、この本を深い内容のある貴重な記録として完成させることができた。写真は各ページを飾っている。改めて関係者の皆様に感謝を申し上げたい。 

この水道施設復旧支援活動で達成された実績、経験が、この本の中に残され、将来に生かされることを強く期待したい。

 先日、神戸市を訪ねた。震災時の面影は既に見当たらず神戸市役所の二号館だけが圧壊された六階から上の階が撤去され、五階建てになっていた。それは、「大災害の、あの時を忘れるな」と訴えているように思えた。 

心残りはさらに多くの方の話を聞きたかったが果たせなかったこと。なかでも漏水班で活躍された安部健二郎氏、第三次復旧隊長の平本健二氏、対策本部で活躍された内山脩氏が故人となられている。ご冥福をお祈りしたい。 

最後に、この冊子の企画から原稿作成、編集までご指導、ご協力をいただいた元朝日新聞西部本社地方版編集長・船木邦彦氏に、心からの感謝の意を表したい。 

平成 21 年 4 月
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