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発刊の辞

「命の水を守れ!」制作委員会 発刊の辞

「命の水を守れ!」制作委員会委員長  渡邊 利夫 (副理事長)

                  副委員長  佐藤 良一 (副理事長)

 「いまさら、阪神淡路大震災時の古い話を持ち出して。どんな意味があるのか」。そんな見方があります。しかし、我々「命の水を守れ!」制作委員会は、今こそ当時の担当者の記録と記憶から活躍の跡を掘り起こし、本にすべきだと考えました。 

 われわれ管工事業界は規制緩和政策の影響によって、建設業界からの水道事業への参入者の増加が続き、一方では住宅着工戸数の減少で工事量が減ってゆくなどのダブルパンチとも言える打撃を受け、厳しい状況に追い込まれております。

 阪神淡路大震災時が発生した平成七年当時は、管工事業界にとっては今に変らぬ大変な時代でした。その中で、多くの組合員が壊滅的な被害を受けた神戸市にただちに赴きました。そして、続く余震の恐怖と寒さ、重い疲労をはねのけて、神戸市民に「命の水を一日も早く確保し、供給したい」と水道施設の復旧工事に汗を流し、劣悪な環境に耐え忍んで頑張りました。その中には社長自らが、ボランティアとして参加した方々が多数含まれていました。
 また、地震発生と同時に救援へと素早く動いた北九州市水道局のリーダーシップと指導の下に協議を重ね、対応を進めました。被災地でも組合員は水道局の皆さんと密接な連携を取りながら作業を続けました。 
 小倉では現地派遣隊のサポートのため、対策本部を設置して水道局側と調整をしながら理事全員が全力で支援業務に当たりました。  

 その結果、応急給水支援と水道施設の復旧作業を無事故・無災害で完遂しました。多くの地元市民からは感謝の言葉が次々と寄せられ、神戸市をはじめとする他都市からは優れた管工事技術を高く評価されました。 

 被災地に派遣された組合員たちが、厳しい状況の中で、いかに水道屋としての「男の心意気」と「情熱」、さらには日頃培った「優れた技術」でチエを絞って頑張ったか。それは神戸市水道局長に『日本一だ』と折り紙を付けられた心意気であり技術であり仕事ぶりであったと思います。 

 管工事組合では世代交代が進んでいます。経営責任者は創業者から二代目、三代目へと替っております。地震発生から十四年を経て、活動に尽力をした方々の記憶も薄れています。亡くなられた方もあります。組合に残されている貴重な記録も散逸の恐れやファックスは字が消えかかってきました。
今、北九州管工事業者の技術の素晴らしさと、いかに大きな感謝と評価を得たか、本に残して将来に伝え、「誇り」にしたいと考えた理由です。 

 災害は忘れた頃にやってくると申します。地球温暖化による渇水、寒波などの異常気象や大規模地震も頻発しています。組合では災害発生に備えて日頃から態勢を整える必要性を、この本の制作を通じて再認識いたしました。北九州市水道局との防災協定締結を考慮し、災害対策に万全を期す取り組みを行いたいと考えています。 最後になりましたが、制作資金に多額のご援助をいただいた組合員、商社の皆様に制作委員会として、心からの感謝を申し上げます。 

平成21年4月

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